藤小僧の写真ブログ

街と花とK20Dと私

台湾で在りし日の新宿が見れる

信じてもらえないかもしれませんが、本当です...


台北駅から特急「自強号」で約40分、そこから更にバスで山の方に登って行くと九分という街があります。元々は更に奥の金瓜山(きんかさん)と合わせて、日本統治時代に開発された金鉱山で栄えた街でした。しかし、金鉱山が閉山となってからは、山の上という立地条件の悪さもあり、多くの労働者が流出して一度は廃れてしまいました。

ここまで聞くとどことなく夕張市のお話とかぶるところがありますが、九分と夕張の大きな違いの1つは、その後人々が再び九分に戻ってきたということです。


一昨年の夏、私はこの九分に行ってきました。あまり観光ガイドに載っているような有名な観光地には行かないのですが、いろいろ話を聞いてみると、昔よりも交通の便がかなりよくなっているし、一度は見に行くべきだとおすすめされたので、じゃあ行ってみるかと思ったわけです。(上から目線ですみません...)

実際に行ってみると予想通りたくさんの人が... 狭くてくねくねした道路をひっきりなしに観光バスが通ります。そして驚くのは日本人観光客の多さ。迷子放送では日本人の名前ばかりが読み上げられていました。

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地元の方にお話を伺うと、九分のおすすめは夜景で、某有名茶店前が一番きれいとのこと。観光ガイドと言ってること同じ... まだまだ夜になるまで時間があったので、他におもしろいところを聞いて、映画館の方へ向かいました。

そしたらこれが予想以上に楽しかったです。映画の宣伝ポスターも売店も椅子も、日本統治時代に造られたまんまで残されていて、なんだか不思議な気分でした。今の東京であんな感じの映画館はなかなか見つからないだろうな...

ちなみにスクリーンには、九分についてのビデオが流されていました。(実は冒頭の九分の文章はほぼこの受け売りです(汗)なんとこの映像もフィルムで放映されているのです! ...と書きたかったのですが、残念ながらプロジェクターで映し出されていました。でも、昔の映画館が今でも大切に使われているのを見るとなんだか嬉しくなります。

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その後坑道も見学して(これがまた楽しかった...)、いよいよ暗くなってきたので、おすすめされた某茶店前で写真を撮ってきました。

余談ですが、ちょうどこの日は台風が接近していて帰りのバスを待つときものすごく大変でした... 風と雨が一気に襲ってくる感じ。今思えば別の日に行けばよかったな...


そして日本に帰ってから、撮ってきた写真をいろんな方に見ていただきました。このとき台北市内の写真もいくつかお見せしたのですが、意外だったのが「日本に似ている」という感想が多かったことです。

そしてある方は九分で撮った写真を見て、こうおっしゃいました。

「これ、新宿ですよね!? よくこんなところを見つけましたね!!」

なかなかその写真が九分で撮ったものだと納得していただけませんでしたが、その方によると、昔の新宿とどことなく雰囲気が被っているのだそうです。私はそんな昔の新宿は知らないので、そうなのかぁと思うしかないのですが、このお話を聞いて、なぜ九分に日本人、それもお年寄りの観光客が多いのかなんとなくわかった気がします。

きっと、在りし日の日本がそこに見えるからなのです。

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